精油(エッセンシャルオイル/アロマオイル)と混ぜてトリートメントをしたり、アロマクラフトを作製する際に使用する「植物油/ベースオイル」についてまとめました。
植物油は、植物の種や実から採取される油のこと
油は主に、石油系、動物系、植物性に分けられます。
さらに、食用、化粧用、燃料用、工業用に分けられます。
植物油は、植物の種子や果実から採取した油のことで、食用と化粧用に使われます。
食用と化粧用の違いは、油の精製具合。
食用は味や香りを重視しているのに対し、化粧用は肌に塗る際の質感を重視して精製されます。
植物油には不飽和脂肪酸が多い
油は、グリセロールに脂肪酸(飽和脂肪酸もしくは不飽和脂肪酸)が結合した構造です。
飽和脂肪酸 :動物性油脂に多い(牛・豚など)、常温で固体
不飽和脂肪酸:植物油や魚油に多い、常温で液体
ただし、植物油にも飽和脂肪酸は含まれています。ココナッツオイルが25℃以下で固まるのは、飽和脂肪酸であるラウリン酸が多く含まれているからです。
※食用としては、不飽和脂肪酸が体に良いと言われていますが、ここでは食用の話は置いておきます。
さらに化粧用に使われる植物油は、精製と未精製というものがあります。
精製 :化学的処理で、有臭物質など不純物を取り除いたもの
未精製:化学的処理を行わないため、個性が残る
精製と未精製、良し悪しは着けれませんが、癖がないのは精製されたものの方です。
植物油を塗ることで、肌は活性化する
肌の表皮は、体から分泌された皮脂で覆われています。
その皮脂が、水分の蒸発を防ぎ、外部の刺激や菌から体を守ってくれています。
ところが皮脂の分泌は20歳を過ぎる頃からだんだんと減ってきます。
そこで、肌に油分を足してあげると肌の潤いを保つことができるというわけです。
特に、植物油に多く含まれる不飽和脂肪酸の一種であるリノール酸やオレイン酸は、肌の水分量をキープする働きがあります。
他にもスキンケアの際に植物油を使うメリットとしては、構成される不飽和脂肪酸の種類によって、抗酸化作用やアンチエイジング作用があることや、肌との摩擦を減らし肌に優しく効果的にトリートメントできることがあります。
植物油とベースオイル、キャリアオイルについて
アロマトリートメントでは、精油(エッセンシャルオイル/アロマオイル)を使いますが、刺激が強いのでそのまま原液を肌に塗布することはできません。
そのため使われるのが、ベースオイルです。ベースオイルに精油を混ぜたものを、肌に塗布していきます。
※アロマトリートメントでは、精油を希釈するオイルを、ベースオイルやキャリアオイルと呼びます。(ここでのキャリアは”運ぶ”という意味です)
ベースオイル(=キャリアオイル)は、①油脂(植物油・植物脂)②ロウ③炭化水素に分類されるので、植物油はベースオイルの中の1種ということになります。
植物脂:15℃で固体。ココナッツオイル、カカオ脂、シアバターなど。飽和脂肪酸が多いため、酸化しにくい。
植物油:植物の種子・果実から採取される。不飽和脂肪酸が多く、酸化しやすい。常温で液体のため、精油を希釈しやすく肌への浸透性も良い。
ロウ:ミツロウ、ホホバオイル
炭化水素:スクワラン
アロマトリートメントで使用されるベースオイルについて
ベースオイルには、たくさんの種類があります。アロマトリートメントでは、精油だけでなく、肌に合わせてベースオイルもブレンドします。
ここでは主なベースオイルを簡単に紹介します。
保湿作用に優れる。色や香りがあり、粘度もあるため、他のオイルとブレンドして使用される。
比較的刺激が少ないため、乾燥肌や敏感肌でも使える。軽くよく伸びる。
未精製のものは色が濃く香りが強い。栄養価が高く、シワや乾燥に良い。
植物油ではなく、ロウ(液体ワックス)。酸化に強く、人の皮脂に構造がよく似ている。
・グレープシードオイル
最も軽いオイルの一つ。低アレルギー性でさらっとした使用感。
・ココナッツオイル
精製されたものはサラサラとして肌の浸透が良い。皮膚の乾燥や炎症を抑制する。
・ローズヒップオイル
ビタミンCが多く、アンチエイジングにおすすめ。
・アプリコットカーネルオイル
肌をしっとりと滑らかにする。軽い使用感で敏感肌でも使える。
・セサミオイル
アーユルヴェーダのマッサージオイルとして使用される。日焼けに良い。
・小麦胚芽油
ビタミンEの含有量が多く乾燥肌や炎症肌に良い。香りが強く、粘度も高いため他のオイルとブレンドして使用される。
・月見草オイル
アレルギーの炎症反応が和らぐとされている。質感は重いので、他のオイルにブレンドして使用する。
・オリーブスクワラン
オリーブに微量含まれるスクワレンに水素添加して安定させたもので、油ではない。皮膚呼吸を妨げず、肌への浸透が良いのが特徴。軽くてサラサラしている。
・ツバキオイル
日本ではヘアオイルとしてよく使用されている。乾燥を防ぎ、紫外線のUVBをカットしてくれる働きがある。未精製のものは香り、質感ともに重め。
・シアバター
シアの木の種子から得られる油脂。常温で固形。紫外線を吸収する作用を持つケイ皮酸を含有する。
※ベースオイルは、肌質や体調、アレルギーなどによって合わないものもあります。製品についての注意事項をよく読み自己責任で使用してください。
自分にあったベースオイルを探してみて
肌質や使いたい部位、ケアしたい内容によって、選ぶベースオイルは変わってきます。性質を知って、自分に合ったものを試してみてくださいね。
まずは精油と同じように、パッチテストをしてからが安心です。少量からお試ししましょう。
パッチテストの方法
腕の内側など目立たないところにオイルを少し付けます
絆創膏を貼り、30分〜1時間程度放置します。
炎症やかゆみなどがなければ更に2日、洗わずに経過観察します。
何も異変がなければ、使用しても大丈夫です。
炎症やかゆみなどの異常が生じた場合は使用を中止してすぐに洗い流してください。
※こちらの情報は一般的な成分の性質を述べたもので、必ずしもここに記載された働きをするとは限りません
未精製ホホバオイル100ml↓
リンク
スイートアーモンドオイル100ml↓
※スイートアーモンドオイルはナッツアレルギーの方は使用しないでください。
リンク
Σχόλια