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執筆者の写真kayo

公園は、公共の園。

11月末で、公園での仕事を終えた。

東京に来て、東京のことを知ろうと思った。

新しい生活に子供達が慣れるまで、無理はできないと思った。

東京の公園に感動したので、公園で働こうと思った。

ということで、半年間みっちりと公園に通い勤務して、本当に楽しかった。

もっとやりたい気持ちと、時間を無駄にしているような感覚で揺れ動き、結局、私はもっと自分が活かせる場所があると信じて、辞めることにした。


にしても、公園って、奥深い。

気がついたことや思ったことをメモしておく。


1、公園は、みんなのもの


どの自治体でも公園はあるが、県や市、区など管轄は別れていて、手の掛け方(予算の掛け方)や方向性も違う。東京都立の公園は規模が大きく、都内は案外緑が多いと言われるのは、公園が多いからだと思う。

※東京都立(東京都建設局が所管)の公園は今現在83箇所もある


・無料で入れる

都立公園は無料で入れるものがほとんどで、無料のところは鍵のかかる門がないため、24時間自由に出入りできる。一部有料の庭園や動物園もあるが、これは無料だとマナーが悪化するという理由もあるらしい。

実際に、公園で勤務していると不法投棄(大型ゴミや変なゴミ、古い自転車みたいなものを公園の茂みに置いていく)に遭遇した。公園によって不法投棄の数や種類は違い、治安があまりよくないとされるエリアは不法投棄も多い傾向にあった。不法投棄されたものは公園の方で処分になるが、処分するのにも産業廃棄物となり費用がかかる。これらは税金である。監視カメラを大量に付けるわけにもいかないし、ゴミ問題はどうにかしないといけない社会課題だとつくづく感じる。(ポイ捨てぐらいはかわいいものである。嫌だけど)


・24時間入れる

公園は24時間自由に入れるが、管理事務所は基本的に夕方までなので、夜の公園の実態は不明。照明が切れていないかなどのチェックはするものの、誰かがずっと巡回しているわけではないので、大騒ぎしている人がいたり、犯罪が行われたりすることもあると想像できる。だって、死角は多いし暗いし。ただ、私が通っていた公園ではそのような事件やクレームはなかった。犬の散歩で早朝の会話や鳴き声がうるさいというお言葉をご近所さんからいただいたことはあった。公園の近くの家っていいなと思うが、騒音と虫が平気な人でないと、後からこんなはずでは、と思うかもしれない。住宅に隣接する木は問題になる前に剪定したり伐採したりするのだが、人員・予算不足でギリギリでやっている印象だった。

※夜の学校と同じで、夜の公園も怖くて入れたもんではない、というのが私の考え。闇は怖い


・誰でも利用できる

公園は誰でも利用できる。私が確認した範囲だと、断然ご年配の方が多い。高齢化社会だからということに加え、ご年配の方には時間があるということが大きいと思う。毎日歩いている団体さんや、歌いながら歩く人、植物を見ながら散歩する人、途中体操をする人など、ご年配の方々でもいろんな人がいる。小学生は学校終わりにチラホラ(いつものメンバーって感じ)きて野球やサッカーみたいなことをしていることが多い。幼稚園や保育園児は、園の先生に率いられて日中やってくる。犬の散歩、ランニング、季節ごとに鳥の撮影や桜や紅葉を楽しむ人って感じで、スーツを着た人は公園では見ることがほぼなかった。(当たり前か)若者はイベントがあったら来るって感じで、散歩するよりすることがいっぱいあるのだろうと想像する。


・ボランティアさんの力は大きい

公園はボランティアさんの力で成り立っている部分もある。ボランティア活動として今の季節だと落ち葉清掃に来てくださる団体さんがいる。認定されているボランティアさんは通年、低木剪定や草刈りをしてくださったり、花壇の管理をしてくださったりする。子どもの遊びを企画・実行されている団体さんもいらっしゃって、「ああ、社会はこうやってたくさんの人の善意でいい方向に回っているんだな」と思ったりもする。ただボランティアさんも高齢化しており、また対価はないので、いつまで続くのかなと勝手に危惧している。きっと豊かさはこういうところに現れる。私が高齢者になった時、私にはボランティアをやれるほど資産も体力も気力も残っていないだろう。もしかしたら、ボランティア制度すら無くなっていたりして?とりあえず長期的な目標は、ボランティアできる程度に元気なおばあちゃんになることに決めた。



2、みんなのものであるが故に、管理は案外難しい


自然は善か悪か、どちらでもない

ルールはある。それは東京都が決めていることなので、それに基づいて実行していくことになるのだが、自然は思い通りにならない。神宮外苑のイチョウの問題でわかるように、いろんな意見がある。ちなみに、倒れそうな木は事前にわかることもあるし、わからないこともある。樹木医という資格もあり、若い頃に知っていたら勉強して取ってみたかったなと思ったので、子どもには樹木医っていうのがあるよって伝えたが、全然興味を持ってもらえなかった。その樹木医の先生でも、やっぱりわからないことは多いんだそう。突然倒れる巨木は恐ろしい。(人が突然倒れるのと同じ感じなんだろう。事前にわかる時もわからない時もある)温暖化で虫にも植物にも変化も起きている。気象の変化は真っ只中って感じで現在進行形であると感じた。(去年の今頃はもう咲いていたのに咲かないね、とか、この虫は全然見なくなったとか、変化が大きい)


維持の仕事って?

公園の維持の仕事は、公園の手入れである。雑草の除草や剪定、雨の日の後の水たまりの処理や側溝の清掃など手がかかる。(ちなみに、農薬は基本的に禁止)(ゲリラ豪雨みたいなことが続くと今までになかった現象が起きたりしててんやわんや)高いところに登って大きな木を切るのは業者さんにお願いすることになるのだが、高いところでなくても危険はいっぱい。足を滑らせたり、ノコギリやチェーンソーで怪我をしたり、熱中症になったり。スズメバチもいる。公園の植栽の仕事はご年配の方やアルバイトも多い。無理せずできる範囲で、という管理はしっかりしてあるし、運動になるし、何より目に見えて綺麗になって来園者から「ありがとう」をいただけるとってもいい仕事ではあるが、結構危険もある仕事である。そして評価されにくい地味な仕事でもある。


老朽化する施設

トイレなど古くなっても、さまざまなハードルがあり、なかなか新しくできない。民間だったらもっとスッとできるんだろうなと思うが、仕方あるまい。公園というコンテンツは人々の暮らしを豊かにするし、観光客を呼べるものになりうるし、個人的にはもっと予算を掛けてもいいのではと思う。(病院に緑がある方が病気が治りやすいみたいなのを読んだことがある。スピリチュアルすぎ?)税金を扱うって本当に難しい。全体を見ないといけないし、今と未来をどちらも見ないといけない。過去からも学ばないといけないし、素早い決断もいるし、間違いに気がついたらちゃんと謝って戻らないといけない。ああ、私には政治家にはなれそうにないな。(誰もなってくれと言ってこないけど)



3、街を活性化させたかったら、公園を作るべき(私の持論)


パリは今、公園を拡張し、2030年にはヨーロッパの中でも緑の街にしようとしているらしい。東西に大きな公園があり、現在でも公園はかなり多いのだが、もっと街に緑を増やそうとしているとのこと。ヒートアイランド現象の緩和や雨水を蓄えることのできる機能面を備えた、美しい景観の都市になっていくのであろう。パリは鳥類も多いとNHKでやっていた。(糞尿で嫌な人もいるかもしれないが)

大阪のグラングリーンが話題になったように、建物で埋め尽くす時代はもうすでに終わっていて、余白をどのようにデザインするかがこれからの街には必要だと思う。地方で放置される山林(里山)の手入れもどうにかした方がいいだろうし、植物のデザインが今まで以上に価値のあるものとされていくといいな。


安心安全の公園があるという当たり前は、当たり前ではないと知った半年だった。



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子ども達と、うちらは公園マスターだと言いながらいろんな公園に行っている(ポケモンマスターみたいな感じ)私のおすすめの都立公園はこちら。(私は練馬区に住んでいるので、練馬区周辺になるけれど)


・小金井公園(めちゃくちゃいい公園。子供も楽しい。古い家の展示などは大人も楽しい)

・井の頭公園(ど定番だが、吉祥寺という駅周辺も楽しくて、公園も動物がいたりして観光客にもおすすめ。実際観光客は多い)

・石神井公園(私のホームパーク笑。池があり、森感があって好き。資料館?みたいなのがあるのもポイント高い。地元の人以外がわざわざこない感じも良い)

・光が丘公園(ここはスポーツをしたい人におすすめ。図書館もあるからお気に入り)



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