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名もなき哲学者。

実際は、知る人ぞ知る方である。

建築家を志す人、戦後の沖縄の建築が好きな人には知られているのであろう。

私は、仕事で携わるまで存じ上げなかった「金城信吉」さん。

建築家だった彼は若くして(49歳)で亡くなり、彼の手掛けた建物は、姿を消しつつある。

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私が彼を知ったのは、愛用しているブルーの器の作家さんである、金城有美子さんがはじまり。 金城有美子さんは沖縄の海をイメージした器などをつくっておられる陶芸作家さん。

いつみても、いつ使っても美しく、きれいなぁ。と思うのは、沖縄の海を見るのと相違がないかもしれない。そんなサンゴブルーの産みの親。

金城有美子さんのインスタを見ていると、金城信吉さんの建築等々がまとめられた、1983年が初版の書籍「沖縄・原空間との対話」の新装改訂版が作られたとのこと。読みたいなと思っていたら、仕事関係のところにあったので、開いてみた。全てではないけれど読んでみた。

ああ、なんていい本なんだろう。と思い、購入したいから、よろしく、とお願いしておいた。おそらく来月中には手に入るかな。(家族には言いづらいけれど、1万円以上する!)

それにしても、文筆家ではないと言いながら、考えている人は、やっぱり違う。

私にとっては、この本は哲学書であり、生きることを、つくることを今一度考えたくなるような書籍。

最後のご家族のコラムを読んで、涙も溢れた。

愛がそこにはあって、今もその愛がふわふわと漂っていて、本来であれば受け継がれていくはずだけれど、なぜか邪魔をするものがあって、断たれつつある。そんな感じ。

本人に会うことがもうないから分からないけれど、とっても人間味のある方だったのではないかと想像し、憧れと畏敬の念を抱きながら、本を閉じた。

私は、人間らしく生きれているのだろうか。

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