お部屋がいい香りになったらいいな、除菌スプレーや石鹸を作るのに精油(エッセンシャルオイル、アロマオイル)が欲しいな、といざ精油を購入しようと思ったら、小さい瓶なのに思ったより高い…。
そんなことありませんか。
精油って高いですよね。
精油は植物のどの部分から取れる?
精油は、植物から抽出しますが、それぞれの植物によって香りのある部分が違います。
植物全体に均一に含まれるわけではありません。
蜂に花粉を運んでもらうために、お花に芳香物質を持つもの、
虫に食べられないように葉っぱから、虫が嫌がる香りを持つもの、
実から美味しい匂いを出すものなど。
そのような植物の匂いの元である「芳香物質」は、油細胞と呼ばれる袋の中に蓄えられています。
つまり、それぞれの植物によって油細胞がある部位が違い、精油は、その油細胞のある部位から抽出しています。
精油にはどのくらいの植物が必要なの?
想像するに、たくさんの植物から少ししか取れない気がすると思いますが、実際どんなもんなのでしょうか。
ラベンダーの油細胞がある部分は花と葉です。
産地や条件によっても異なりますが、ラベンダーは精油10gを抽出するのに、1〜2kgの花・葉が必要と言われています。1/100ですね。
ローズの場合は、10gのローズ精油を抽出するのに、お花が30〜50kgも必要です。なんと1/3000です。
ローズの精油が高価な理由がわかりますね。
地球環境の悪化により数の減ってしまった植物もあり、精油は安価では作られないものとなっています。
どうやって精油は抽出されているの?
精油は、植物の種類や部位によって、抽出法が異なります。
どの方法もそれなりに手間がかかります。
最も歴史が古く、一般的な抽出方法
●水蒸気蒸留法
植物を蒸留機の中に入れ蒸気を通し、芳香成分を気体にさせた後、冷却管で冷やし気体から液体に戻して抽出する方法。
今から1,000年ほど前からこの方法で精油が取り出されていたとされています。
薬品を使わないので安全です。
柑橘類で多い抽出方法
●圧搾法
圧力をかけて絞る方法。低温で行ったものが良質とされている。
柑橘類は水蒸気蒸留法でも抽出可能だが、圧搾法の方がよりフレッシュな香りです。
牛脂や豚脂、オリーブ油などを使った伝統的な方法
●油脂吸着法
芳香成分を脂に吸着させ、エチルアルコールを使用して芳香成分を溶かし出す方法。熱に弱いデリケートな花びらなどで使われていた。
時間も手間もかかるので、現在ではほとんど行われていません。
デリケートなお花、樹脂の精油で用いられる
●揮発性有機溶剤抽出法
石油エーテルなどの揮発性の有機溶剤に植物を浸して抽出する方法。
溶剤が微量残留する可能性があります。
その他、液体二酸化炭素を用いた方法などもあります。
まとめ
精油(エッセンシャルオイル・アロマオイル)が高価な理由がわかったでしょうか。
・植物全体からではなく、部分からしか取れない
・大量の植物からちょっとしか取れない
・手間のかかる抽出方法
精油5mlが100円とかはあり得ません。その場合は、精油ではなく、人工的に作られた匂いのする物質だったり、精油を他のもので薄めていたりする可能性があります。
少し高くても、品質が安心なものを選びましょう。
購入の際のCheckPoint
精油であることが明記されていること(精油・エッセンシャルオイル・Pure Essential Oil)
植物の学名・抽出部位・抽出方法が記載されていること
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