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執筆者の写真official

顔が伸びる

ふと美容院で鏡をみると、信じられないぐらい顔が伸びている自分がそこにはいた。

この鏡はわざと不細工にうつる鏡なのではないかと、そっと映り込む美容師さんの顔をうかがうが、マスクをしていてわからない。というより、そんな鏡なわけがない。客をわざわざ不愉快にしてどうするのだ。ありのままを、写しているだけである。写るのはマスク関係なしに小顔の美容師さんだったりする。

見ている自分の目がおかしいと思いたいが、そんなわけない。

ということで、確信した。

私の顔、最近伸びている、と。

ただでさえ大きな顔が、より大きくなっている、と。

一応、女の端くれなので、かるく絶望を感じる。がすぐに、気を取り直す。

美人ではなくても、美人風になれるならなりたい。きっとおんなじような人はいるはず。まだ手立てはあるはず。

そしてこういう時に役立つのが、YouTubeである。

現代の技術と、なんでも発信してくれるみんなさまさま。

顔が伸びた、長くなった、と感じたら、大抵はたるみのせいのようなので、たるみケアの動画を検索し見繕う。

それにしても、大きな鏡でようやく気づく無自覚さ。

ぼぉっと、顔の筋肉を使わず、メンテナンスもせず生きてきたから、たるんだのであろう。

家に帰りまじまじと鏡を見ると、眉間の皺も気になってきた。

まず眉間の皺をのばすセルフケアをし、

ついでに目をぱっちりさせるというストレッチ。

頬の筋肉を動かし鍛える動き。

首と頭皮まで指圧やらなんやら。

途中つらくて諦めそうになった。小顔への一心でどうにかこなし鏡を見ると、変化が凄すぎる。

わぉ、ほんとの私はこっちだ。

(てか、こっちであってほしい)

骨格は変えれないから、大きい頭のままではあるけれど、こんなにスッキリするのかと感心した。

顔が軽くなった。

大切なもの、ひと、環境を丁寧に扱いメンテナンスするのは当たり前のことなのに、自分をどれだけ丁寧に扱っているのか。

言葉遣いや身の回りのもの、食べるものを整えるのも同時に、自分自身の身体も心も、ときどき見直してケアしてあげようと思った。

いや、マジで変わるから!

なんにもしてなくて、老けてきたな、と思ってるなら、顔も鍛えてみてほしい。いっしょにやろうよ。

(こうやって日々やることが増えていき、取捨選択を迫られる……)

毎日、空を見ている。

お家に来たばっかりの、お気に入りのマグ。

ピクルスつけたり、豆とお野菜を多めのごはんにしたり。

全粒粉のパンを焼く。

フォカッチャを焼く。

仕事の他に、時折そんなこと(家事)をしている。

あっという間に、また一日が過ぎる。

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