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たまご

 あさ目を覚ますと、体がどこかへいってしまったように軽くなっていた。起き上がり、歩いてみる。やっぱり、軽い。ゆっくり、カーテンを開ける。えいやっと、窓を開ける。ひんやりとした空気が、頬をかすめる。口を大きくあけて深呼吸をしてみる。うん、あさの味だ。

 きょうが、何月何日で何曜日で。そんなことは、どうでもいい。なにしろ、身体と心が融合して、ちゃんと自分なんだから。やるべきことも、わかってるみたい。こんなあさは、ひさしぶりだ。

 足が勝手に玄関へ向かう。外へ出たがっている。外で、光を、風を、感じよう。土の香りを、柔らかさを、感じよう。そして、帰ったら、卵を食べるのだ。

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