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  • 執筆者の写真official

馬車馬、東京へ行く。

20代の頃、広告代理店に就職した友人が、馬車馬のように働かされているとしきりに発言しており、本当にそれはそれは忙しそうだった。オフィスに泊まったり、プレゼンに駆け回ったりと、側から見ていてもすごい働き方(働かせ方だな)と思っていた。ちなみにその友人は結婚を機に仕事を辞めた。だいぶ稼いでいて、時間はないけどお金はあると豪語し、休みのたびに海外旅行へ行っていてちょびっと羨ましかったのだけれど。


で、私は働いてはいたが、割とふらふらとしていたので、馬車馬は体験していなかった。20代も後半に差し掛かり、ひょんな縁あって広告代理店で働くようになり、その友人ほどではないけれど、私も奇しくも馬車馬を体験することとなった。夜な夜な校正したり、営業の数字が足りないと罵声を浴びる現場に出くわしたり、あっついなかひたすら歩いて営業に出たり。(私は罵声を直接浴びることはなかったが、そもそも上層部に興味を持たれておらず全く昇格はしなかった。そのうち出ていく人ということがわかっていたのだろう。)

30代は子育てがあり、必然的に仕事をセーブすることになり、結局馬車馬期間は短かったのだけれど、なんということかつい先日(2023年3月末から4月半ばにかけて)は、まるで馬車馬だわ、と思う状況に陥ってしまっていた。


朝は泣いたり騒いだりする子供の相手にはじまり、日中の仕事量は到底終わる量ではなく、ややこしい仕事が増殖し、夕方から寝かしつけのゴタゴタの後にも仕事をし、さらに土日にも仕事をし、春休みとなり今度はお弁当のタスクも増え、気が狂いそうになっていた。

自分の時間というものはなく、唯一寝ている時間は自分の時間ではあるが、その時間も横の子供に蹴飛ばされ、布団を剥がされる始末。


そんな中、先日14日(金)に東京出張が入った。

9時半から仕事なので、ほぼ始発の新幹線に乗らないといけない。つまり、4時半起き。東京での仕事は19時ごろに終わるが、宿代が高すぎるということで、宿はとってもらえず。愛想が尽きるわ、行くほどの価値ないわ、と思ったけれど妹が横浜にいるので、泊めてもらう約束をし、出張に出た。

14日はこれ以上ないぐらい疲れとストレスが溜まり、もう無理かもしれないと思ったけれど、妹の家に行って旦那さんと妹とお茶をしながら寝る前にしゃべりたいだけしゃべったら、スッと疲れがひいた。

ゆっくり足を伸ばしてお風呂にも入れた。

一人で邪魔されず寝ることができた。

朝、誰にも起こされず目が覚めた。


そしたら、自分が戻ってきた!


ワンダフォー!

なんて快適な朝なのか。

やる気が漲ってきた。


疲れすぎていたから、東京散策なんてせずに帰ろうとすら思っていたけれど、雨にもかかわらず出かける気になって、東京都庭園美術館へ。

目黒なので品川に近いし、庭園を散策したいから選んだのだけれど、美術館となっている洋館がめちゃくちゃ素晴らしくて、良すぎて、思わず玄関で立ちすくんだほど。


細部にまでこだわり尽くされたその芸術美は、建築好きじゃなくても絶対楽しい。

建築物に漂う空気感は厳かさもあり、時が止まったかのような感覚もあった。


雨は気にせず、とにかく散策してうろちょろと。

雨の匂いも音も、木々の香りも、私を少しずつ満たしていくようだった。


戦争や皇族の暮らしに思いを馳せて、ドキュメンタリーの再編をみて泣いた。



辛い時があるから、楽しい時が輝く。



これから、どうやって何を成すのか。

何もしなくてもいい、何かをしてもいい。



フリーランスなので、仕事がなくなるかもしれないという心配はあるけれど、なくなったらなくなった時だわ、と開きなることができた。元々そういう気持ちだったのに、いつしかお金に囚われ欲深くなっていた気がする。

無理することもないし、今の私の時間は有限なので、時間に追われるのはときどきにしておきたい。


私は、私の時間をどう使うか、選ぶ権利がある。


わがままに生きる。


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