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  • 執筆者の写真kayo

渇欲は、卑しいのか、若いのか。

何かを渇望することが、思えば減っていた。

10代の頃は違った。なんでも欲しかった。手に入れたかった。

飢えて乾いて、まるで餓鬼のようだった。でも、手に入れる方法が分からず、諦めていた。


時はすぎ日々の営みに慌ただしく、欲しいものといえば時間となった。

欲しくて欲しくてたまらないものなんてないと思っていた。つい先日までは。


手に入らないものほど、欲しい。

そんなものが現れたのである。

その瞬間から、切ない気持ちが溢れ、

欲に塗れた人間であることを思いださされた。


私の中に、まだ、こんな感情があったとはと反芻しているうちに、

欲しいという熱はあっという間に冷めた。


こうやって、感情の波に揺られながら生きていくんだろう。





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